恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏
「絹川くんって…」

「さや、二人共今職員室に呼ばれてるから…行ってみる?」

月ちゃんは、私の言葉を遮るように歩き出す。

「う…うん」






職員室までの道のりが、とても長く感じる。

胸騒ぎがして、落ち着かない。

私のせい…?

私はどっちも好きじゃないのに、二人が勝手にいがみ合うなんて、おかしいよ。


「月ちゃん…絹川くんって、悪いの?」

「ふふっ、見た目に騙されるよねぇ。あの人、ケンカめちゃくちゃ強いんだって。三年の先輩も頭下げるぐらい幅きかせてるよ」

「へ…へぇ」

三年生まで?す…ごい人なんだ。

額田先輩を睨みつけた時のあの目つきは…確かにタダ者じゃなかったけど。


「さやが言ってた、入学式の時の話。…誰なんだろうってずっと思ってたんだけど。

…それ、絹川当麻だよ」


昨日…

絹川くんの透けた髪を見て、薄々そう感じてはいたけど。


実際に人から言われると、やっぱり何だかショックだった。



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