君を僕の好きにさせて貰います(短編)
「可愛い幼少期の思い出だね」
「今もだよ」
これは、と浮かんだ考えを必死に振り払って逃げるようにベッドにあがってへたりついた。
「苺、何かあった?」
「何もないよ」
クッキーを食べながら苺も立ち上がってベッドの私の前に座る。
さっきよりも近くに向かい合うから、自然と緊張してそれでも苺から目を離すまいと必死に自身を気合い付ける。
「覚えてないの?」
「……うん…」
そう、と素っ気ない返事が返って来て胸がズキッと痛む。
「僕、これからずっとマカと一緒がいい。
好きなんだマカが、小さい頃からずっとね」
さっき思いついた考えそのままぶつけられてたじろぐ私に苺は不安そうな表情を浮かべてズイッと顔を近付けた。