【長編】唇に噛みついて

2度目のビンタ


⌒⌒Kiyona
\/side


「何で昨日勝手に帰ったのよー」


お昼休みの食堂でうどんを食べているあたしの前でムッとしながら言う真弓。
あたしはズルッとうどんを啜りながらチラッと真弓を見た。


「あぁ……気持ち悪くなってトイレ行ったら最悪な奴に馬鹿にされて胸くそ悪いから帰ったの」


「最悪な奴?」


あたしの発言にキョトンとする真弓。


あぁ……。
思い出しただけでも腹立つ。


あたしはお箸でうどんを取って口に含む。
すると上を見上げて真弓はうっとりとした。


「てか、間島くん!すっごい可愛かったなぁ」


間島?
多分……昨日真弓がベッタリだった人の事かな。


「超純粋でー。子犬みたいだったぁ」


でもあたしはそんな事どうでもよかった。


「最近の高校生は軽い奴ばっかよ」


その人だって、純粋ぶってるだけじゃないの?


そう言ってあたしはうどんを啜った。
すると真弓は不機嫌そうにあたしの顔を覗き込んできた。


「てか、あんたが帰った後来た、須藤零(スドウレイ)くんって人。超格好よかったよ?」


「へー」


興味ない。
まったくもって興味がない。


すると興味を持たないあたしに苛つきながら真弓は言った。


「で、その人が。聖菜に会いたいらしいんだ」


「ブー!!!」


あたしは目を見開いてスープを噴出した。



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