ばいばい

「…正直、知らなかった。

噂のこととか。」


あたしは意外な言葉に思わず、康の方を向いた。


「告白されて…断って…。

でも、彼女に何するか分からないよ、って言われて…、海月に相談した。

そこで初めて噂のこと知ってさ…。

…ことを守るんだ、って思った。」


恥ずかしそうに話す康を見て、あたしは自分を責めた。



あたしは何をしてたんだろう…。

噂を知ってたのに…、康ばかり責めてた。

康を信じなかった。



あたしは今まで自分がしてきたことに、後悔と罪悪感を感じた。



噂たってる人より、彼氏疑うなんて…、
あたし…彼女失格だなあ…。



あたしは倒れ込むように泣いた。