sky blue

赤い糸

鈴と会って話をした次の日から、普通に仕事に行った。
何事も変わらない毎日。
”これでよかったんだ”とふいに思う。

いつも通り仕事をしていた。
深夜2:00。
お客さんも少なくなってきた頃、お店のドアが開いた。
目を疑わずにはいられなかった。
そこにいたのは上野さんだったから。
2ヶ月以上会っていなかったのに、なんで、なんでこんなに愛しく感じるのだろう。
目の前の映像が歪んで見える。

上野さんはこっちをみて血相をかえて歩いてきた。

「大丈夫か?
 怪我は?傷は残ってないか?!」

そういって私を軽く抱きしめる。
何を言われると思ったら、私の体の心配。
入院していたのはあなたのはずなのに。
私の心配なんていいのに。

「退院おめでとうございます。
 私のことはいいですから。
 はやく会社に復帰できるといいですね。」

抑揚のない声で言った。
でも、本心はちゃんと言った。
退院おめでとうって。
それだけでよかったの。
生きていてくれただけで。
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