からっぽな街
道の無い、坂になった山道を登っていると、いつの間にか、足場が大きな石ばかりになっていた。坂道を登りきると、木の奥に、一気に、空と、海の見える景色に変わる。
随分、高い所に、立っていた。視界が徐々に広けると、目の前が急速に明るくなる。
ずっと奥に、波の打ち上げられるところ、白く泡ぶいているところが見える。
砂と砂利と、岩のある地面に、靴の裏の感触が劇的に変わる。一歩一歩を、踏みしめる。
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