からっぽな街
 誰も居ない、からっぽな街で、階段を見ながら、アイスクリームを食べる。
 レモンシャーベットが、溶けるのが早くて、タラタラとコーンに垂れる。それを、舌でなぞるようにして舐める。さわやかな酸味と、冷たさが、喉に染み込む。
 
薄ぼんやりと、奥に見える階段を眺める。
多分、世界は、ここだけではない気がするのだ。この階段の向こう側に、もう一つある気がするのだ。この階段を見るたびに、そう思えて、仕方が無い。

がりがりと、レモンシャーベットと一緒に、ワッフルコーンを齧る。甘いクッキーは、レモンシャーベットと混じると、驚くくらいにおいしい。
そうして今日も、階段を十分に眺めたあと、戻れなくなることが恐くて、素通りし、散歩の続きをした。

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