からっぽな街
クラッシックは、とても優雅な気持ちになれる。身にまとっている白いブラウスや、腰までの黒いエプロンを気に入っている。代と赤を基調とした、落ち着いた雰囲気の、オープンテラスのあるこのレストランも。
「キャンプ行くんだって?」
お願いします。と言いながら、シュークリームの皮とカスタードを運んできた店長に、小さな声で聞かれる。
「誰に聞いたんですか?」
小声で、ぶっきらぼうに、聞いてみる。私は、店長が苦手だ。私のことならなんでも知っているみたいに、馴れ馴れしくしてくるところとか。
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