からっぽな街
私は、何かの一部でもなくて、何にもなれなくて、ただ、空間の中の地球の、建物の、屋上の、コンクリートの一部の部分に、ちょこんと、腰掛けているだけ。
圧倒される。くらくらと、眩暈がする。目の前の、大き過ぎる世界と、自分の存在の小ささに、消えてしまいそうになる。
例え私がこのまま消えたとしても、世界には、何の支障もないのだろう。
自分の意味についても、考えてしまう。このまま、からっぽな世界にいることの意味を。
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