からっぽな街
私は、飲み込まれてしまう。この二つの目玉に映る、三百六十度の広大な景色に。
眺めることは、時間を感じさせない。太陽が、ずっと奥の街に沈み、夕暮れ空に紫色がかった雲が伸びて覆うところを、瞬きするのも忘れて、見入っていた。
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