からっぽな街
「ねえ。ハナ、キャンプのこと、店長に行ったでしょ?」
「え。ご、ごめん。まずかった?」
「もー。そういうこと、店長には言わなくていいよ。」
「うん。ごめんね。つい。」
「もー。ついって!大変だったんだからね。こないだなんて、俺が学生の頃はな。って、くだらないキャンプの話なんか始めちゃってさ、ほんっと、超つまんないの。私、シュークリーム置いてきますっつって、話途中で切っちゃったからね。」
「あははははっ。ユウ、うける。」

むちむちとした手で、口を覆いながら笑う丸顔のハナは、蒸したてのふかふかの肉マンのようにおいしそうに見えた。
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