からっぽな街
「それでね、私、テツヤを好きになった女を、片っ端からやっつけるんだ!小学生でも学生でも容赦しないぜい。」
「ええ。まさか、そのために行くの?」
「うん。もう、ほとんどそのためかもね。」
「ふう。飽きれた。」
パンを食べながら、頭を傾けるハナを見て笑う。こういう時間が、特別に好きだからだ。
ハナといると、思っていることを素直に、言うことができる。もう、随分長い間一緒にいるし、気心知れている仲だからなのだろうか。それなら、テツヤも一緒だ。
そういう存在に、どうしてテツヤがならないのか、私は、不思議でたまらない。
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