Magical☆Player
場を取り繕うように、夏が思い出したように言った。



「そういえば“今朝”って何?」





「あぁ、お前は今朝の」





乙坂が驚く私にかけた言葉。



「え?あ、たまたま校門前で会って、ちょっと挨拶しただけよ」



あれが挨拶と言えるのかどうかは分からないけれど。



「ふーん・・・まぁ、凛花も乙坂くん並に有名だし、あっちは凛花の事知ってたのかもね」

「そんな風じゃなかったけど・・・。私だって乙坂くんのこと知らなかったしね」

「え?じゃあよく話せたね!乙坂くん女の子相手に話すらしないみたいだし」



桃子が少し驚いたように言った。



「誰彼構わず話す軽い男なのかと思った」

「凛花は綺麗だしね~さすがの乙坂くんも声かけてみたかったんじゃない?」



そんなんじゃない、絶対!
あいつ、私のこと絶対からかってる・・・!



今までにない屈辱にぷるぷるふるえながら私は、落とし物拾ってもらっただけよ、と一言言って、生徒会室へ入り、帰り支度を始めた。
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