(コラボ)沈黙するケイタイ~交点の烈~
「・・・うそ」

なんて、情けない。

「ってことで、逃げようか」

「そうだね。

あんたが無事なんじゃ、

ここにいる意味」

・・・ない。

ハズだった。

ついさっきまでは。

「どうしたの?」

黙ったあたしを、アユタは心配して訊いた。

「逃げるのは、できるかもしれない。

でも、ここヤバいんだよね。

このまま放っておくと、

何だか、大変なことやらかしそうな気がするんだ」

アユタは短く息、嘲りの息を吐く。

「だからって、

姉ちゃんが逃げ出すのをやめてここにいても、何ができるの?」

あたしは再び黙った。

そうなんだよ。

そういわれちゃうと、何にも言えない。


「でもさ、せめてもう少しいて、

何をしようとしてるのか、だけでも調べられたら」

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