(コラボ)沈黙するケイタイ~交点の烈~
こちら側のことは、彼らは知らないらしい。

ほっとしていると、

「あ」

アユタがつぶやいた。

左手の、むき出しの壁が、ゆらりと、揺れた。

そこから、ミコが姿を現した。

あ。

一瞬、凍りついた。

ミコの方も同じ反応をした。

けれど、向こうのほうが早く立ち直った。

「ナユタ、お前か」

私、ですけど。

まっすぐに、自分しか見てないミコ。

変だな。

思って目を伏せる。

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