6年目の愛してる
「ははっ!課長・・嬉しいっす!純粋に。これからも頑張るッス!」
課長の言葉に気分が晴れた。
「ところで、なんで俺に花くれたんすか?」
オレンジ色のユリの花に目を移して聞いてみた。
「花屋さんがさ、教えてくれたんだよ。オレンジ色のユリの花の花言葉」
課長はからかう様な表情で花を指し示す。
「華麗、らしいよ」
「女装してるときのお前は、めっちゃ華やかだろ?」
その言葉に本気で照れてしまう。
「か、かかかか課長!?まさか俺のこと好きなんじゃ・・・!」
「それと、愉快、軽率って花言葉あんだってよ?」
ニヤリ
課長が俺のおでこを軽く小突いた。
「紗絵のときといい、今回といい、お前は軽率な行動が多い!」
「返す言葉もございません・・・」
「でも、愉快で結構!!な、お前にぴったりだろ?この花」
ニシシと笑う課長。
「恋愛感情で好きってことは絶対ありえねーけどな?俺は部下としてのお前も人間としてのお前も嫌いじゃない。だから、胸張って生きろ。全ての人がお前を認めてくれるかときかれたら、そうじゃない。でも、そんなお前のことをちゃんと認めてる人もいる。少なくとも俺は認めてる。それにお前、嫁さんいんだろ。少なくともこの世で俺とお前の嫁さんはお前のこと認めてるよ」