春夏秋冬【短】




「わぁ…!」


綺麗…。


そのあまりに美しい満月に、私は怒っていたのも忘れ、感嘆の声をあげた



私の反応に旦那様はふふっと笑うと、何時ものごとく自身の隣をポンポンと叩いた



どちらにせよ、旦那様はそう簡単にお部屋に戻ってくれないので、私は大人しく隣に座ることにした



しかし、その距離は予想以上に近く、私の心臓は内心悲鳴をあげた



「…今日のお月様は真澄鏡(ますみかがみ)ですよ。」


そう言って、旦那様はまた月を眺める


「真澄鏡?」


聞き慣れない言葉に反応を示せば、旦那様は月を指差したまま説明をはじめた


「ほら、少しも曇り無く澄みきっているでしょう?
鏡のようだから、真澄鏡。」



月を縁取るように動く旦那様の指先を追う



確かに、鏡みたい。


重なる雲はひとつも無く、何にも邪魔されていない満月


言われて見れば…と言った感じだ



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