隣の先輩
 西原先輩は私の頭を撫でていた。


 先輩の手が大きくて、胸の奥が締め付けられたみたいに苦しくなってきた。


 先輩……。


「久しぶりです」

 宮脇先輩は? 


 一緒に帰ってきたの?


 でも、そんなことを言えるわけもない。


「まだ、体調悪い?」


 私は首を横に振った。でも、上手く言葉が出てこなかった。


 ただ、苦しかった。


「真由、体調悪いの?」


 愛理がそう聞いてくる。


「そんなことないよ。大丈夫だよ」


 仮病を使っていたなんてもう言い出せない感じになっていた。


 先輩が本気で心配してくれていたなら、ものすごく申し訳なくて、何度ごめんなさいを言っても足りないような気分になってきた。


 先輩はダイニングテーブルのところに座っていた。
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