隣の先輩
第38章 十六歳の誕生日
 明日は私の誕生日だった。


 でも、そんなことは頭の中にいまいち入ってこない。


 今、気になるのは
 先輩にいかにお守りを渡すかということ。


 やっぱりセンターの前には渡したい。


 私が頭を抱えていると、ドアがノックされた。


 返事をすると、すぐに扉が開き母親が入ってきた。


「真由、コートは洗っておいたから。明日取って行きなさい。ポケットの中に入っていたのは、脱衣所のところに置いているから」


 今が冬の時期ということもあって、室内にかけらている。


 普段は家の中でも頻繁に乾くことはないが、今は暖房がついているので意外とあっさり乾いたりする。


「分かった」


 私はそう返事をして、その日は眠ることにした。


 誕生日だといっても何か特別なことがあるわけじゃない。


 ただ、そのことを知っている人からおめでとうと言われると、すごく嬉しい。


 学校はあっという間に終わり、帰るために教室を出た。


 あっという間に教室から人がいなくなり、閑散としていた。


 なんとなく三年の教室に目を向ける。


 三年生の来ない学校は、なんだかひっそりとしていた。


 それは私が隣のクラスだからそう思うんだろう。
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