隣の先輩
 昨日の夜、先輩に電話をかけてきたのは宮脇先輩で、私が家の人に怒られないかということと、体調を心配をしていたとのことだった。


 だから無理はするなよと先輩は伝えたかったみたい。


 自分のことで精一杯だったはずなのに、私のことを心配してくれていたんだ。



 先輩は私が何をしていたか訊こうとはしなかった。


 そして、電話を切る。


 宮脇先輩に心配で電話をしてくれたことが、どこか私をほっとさせた。


 それからあっという間に先輩の受験が終わった。


 受験を終えて帰ってきた先輩から、ある程度は解けたと言っていた。


 それは宮脇先輩も同じみたいだった。


 二人とも受かっていればいいとは想っていた。



 そして、宮脇先輩の気持ちが届いてくれればと思うようになっていた。
< 597 / 671 >

この作品をシェア

pagetop