猫耳姫とメガネ王子
そっと嘘泣きの顔を上げてみると――冷めた目で私を見下している、壱。


「唯の涙は、塩化カリウムと塩化ナトリウム、ヒドロキチエルセルロースが成分なんだな」


「へぁ……?」


わけのわからない単語に首をかしげていると、壱は私の右手をグッと掴んでいた。


咄嗟の事に驚いて、ギュッと握っていたものを手放してしまう。


「あ――っ!!」


その手の中から、目薬がポトリと落ちる。

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