Swwet Love

「はあ…」

私は溜息をついた。
そうしたら、後ろから誰かが来る事に気づいた。

「リン!どうした?元気ないじゃん」
「ひ、輝…」

あんたの隣になれなかったからだよ、
そう言いたいのは山々だったが、ここはグッと
抑える事にした。言っても解決しないだろう。

「ううん、そんな事ないよ」

私は必死に首を振った。
こんな事思ってるなんて知られたら、
これからどう付き合えばいいか……。

「嘘だ。」
「え?」
「俺が何年リンといると思ってるの?」
「…うーん…」
「嘘ついてるでしょ。バレバレ」
「ふふ、さすが幼馴染。」
「アンド、リンの婚約者」

その瞬間、私の額に冷や汗が流れた。
なんでだろう?
輝が結婚の事、覚えていたから?

「へ、へえ…覚えてたんだ?」
「忘れないよ」
「…輝、好きな人とかいるの?」
「リンは?」
「―いるよね、質問を質問で返す人」
「ははは、んじゃ、秘密って事で」

お互い笑い合った。
こうして話したのは、何年ぶりだろう。

「…輝くん?」

今度は、緊張の汗が流れた。
この声は、紛れもなく美里の声だ。
美里はこちらに向かってくる。

「あ、新田。どうした?」
「もう、授業始まっちゃうから。座らないと」
「あー、うん。了解。 じゃあな、リン!」

私は静かに手を振った。
別に、私は美里が憎らしい、とか、
そんな事は一切ない。


ただ、


美里と輝が楽しそうに話してるのを見てると、
胸が少しだけ苦しくなる。
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