キョウアイ―狂愛―









双子のうち、どちらが無用な子孫か?


その差は歴然としていた。




賢く何事にも長け、洗練された片割れと、



歪(いびつ)で、濃すぎる血を上手く抑えきれぬ我。




慈しみを持ちたいと願う心とは裏腹に、より強く血を欲す獣の欲望は、我を苛(さいな)み続けた。



滅多に口も開かず片割れに常に付き添われ、狂ったように血を貪る姿は、異形の一族の中でもより異質に映ったであろう。








産まれ落ちた時に、消滅するはずの命は、母親を殺(あや)め生き長らえた。




しかし、疎まれながらも生き延びた命を、一族の年長者達は許してはくれず……。









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