キョウアイ―狂愛―




―――血ガ足リナイノナラバ、補給スレバイイ




響く声と共に、やけに聞こえるのは男達の脈動。
三人分の血液の流れる音がはっきりととれた。



ゴクリと喉がなる。

ゆっくりとふらつきながら立ち上がった己が発した言葉。




「……人間ごときが、我を殺す算段とは………笑止」




頭の中で響いていたあの声が自分の口から飛び出す。


(夢なのだろうか……?)

現実感が薄い。





「血を渇望する我の前に現れたその愚かさ……後悔するがよい」





項垂れた頭を上げたとまでは感じたのだが、


その時から





クレアの意識は急速に遠退いていった。






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