この思いを君に

―――――――
――――…

あの時は

一人で帰るの久しぶりだ。
とか思ってたんだ。

そしたら

「お!みつき」

春樹の声がした。

「春樹!」

「何?一人?」

「そう。
サヨに彼氏出来たんだ。
だから1人。」

「…なら一緒に帰るか?」

「うん!」

それから私は春樹と毎日
一緒に帰ることになった。


友達以上恋人未満

そんな関係だと思った。
居心地がよかった。

好きだなとかかっこいいなとか
優しいなとか…
心で止めたまま。

関係が壊れるのが怖くて
言いだせなかった。




…好きなんだろうな。
あの子のこと。

こんな風に
失恋なんてしたことない。

まだ何も…

何もしていない。

何も言っていない。

だからかな
この時涙は流れなかった。

泣けなかった。

苦しかった。

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