甘い魔法②―先生とあたしの恋―


「せ、んせ……好き……っ、」


掠れた声は、先生が触れる肌のせい。

いつもよりも強く求める先生。

そこに想いの強さを感じて、わずかな刺激にさえ身体が震える。


「……好、き」


先生はゆっくりと顔を上げて……、あたしの頬を手で撫でた。


「俺も。

時々自分が怖くなるほど、市川の事を想ってる」

「……んっ…せん、せ……っ」

「市川が離れていったら……俺、狂うんじゃねぇかな……」

「あっ……―――……っ」


一時の感情に思考を流されながらも、先生の言った言葉を記憶に留める。

繋がり合ってるからこそ、聞ける先生のコトバを―――……。


「好き……、」


不安な気持ちも、じれったく思う気持ちも。

全部の気持ちを込めて、そう伝える。


先生に届くように。


溢れて止まない愛しさに、先生の背中に回した手に力を込めた。










< 286 / 458 >

この作品をシェア

pagetop