甘い魔法②―先生とあたしの恋―

不在



その日、俺が帰っても市川は部屋から出てこなかった。


部屋の前まで行ってみても、灯りは消えていて。


寝るにしたって、20時過ぎっていうありえない時間が疑問を持たせる。

一瞬ストーカーメールを送ってくる奴に誘拐でもされたんじゃないかって考えが浮かぶも……。

夕食の食器はちゃんと片付けてあったし鍵もかかっていた事から、それは考えにくいと胸を撫で下ろす。


ショックでふて寝、とかじゃないといいけど……。

……自惚れすぎか。


ぶつぶつとうるさい考え事をしながら、自室のドアを開けてベッドに仰向けになる。



市川に気持ちを打ち明けるにも……。

ほとんど知られている状態で、一体何を話せばいいのか。


そんな事ばかりを考えていた。



< 382 / 458 >

この作品をシェア

pagetop