甘い魔法②―先生とあたしの恋―


母親に置いていかれたのがトラウマになっていて、大切な奴が自分から離れていく事に、異常な恐怖感がある。

その恐怖に駆られた時、自分の気持ちのコントロールが利かなくなる。


……そんなの、もうとっくに気付かれている気がするけど。


最近の俺の行動から、市川だってそれくらい読み取ってると思うし。


『気付いてたって、直接言われるのとそうじゃないのとでは全然違うでしょ?

ハルキくんが自ら相談してくれたって事が、大事なんじゃない。

実姫ちゃんは、ハルキくんから言って欲しいからずっと待ってるんでしょ?』


帰り際、少し駄々を捏ねた俺に、里子さんが言った言葉が脳裏を過ぎる。



……つぅか。

ほとんどバレてながらも、市川は俺から逃げたりしなかったのに。

俺が突発的に取ったあんな行動も、必死で笑って許してくれたのに……。






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