甘い魔法②―先生とあたしの恋―


当たり前みたいに言う先生に、嬉しくなる。

にやけてくる顔を隠して、話題を坂口先生に戻す。


「人気出そうだよね、坂口先生。着任式の挨拶でさっそくファンができてたみたいだし。

先生の人気下がっちゃったらどうする?」


ふざけて言うと、先生は軽く笑う。

そして、意味ありげな視線であたしを捕らえた。

細められた視線に胸を弾ませると、先生はそんなあたしに笑う。


「別に興味ねぇよ。

……誰かさんにさえ好かれてれば、他はどうでもいい」


それがあたしを指している事に気付いて、頬が勝手に赤く染まる。

蒸気した頬に、先生の手が触れて……肩を竦ませると優しく微笑まれる。


そして、徐々に二人の距離が縮まり―――……。



次の瞬間、寮のドアが勢いよく開いた音が響いた。






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