他校の君。【完】
今日の事もよくよく考えたらあたしの事しか話してない。
シュン、と肩を落としてしまうと、
「そんな気落ちしなくても、電話でだって聞けるし、会った時に話せばいいし、デート中に一臣君の事を見ればいいでしょ?香澄はまだ付き合ったばかりなんだから知らなくて当然だと思うよ?」
「お姉ちゃんもそうだったの?」
「うん」
最初はちょっとしか知らなかった、と頷くお姉ちゃんにあたしは『へー』と相槌を打ってしまう。
「それにね?瑤君と付き合って結構経つけど、未だに知らない事がいっぱいあるんだよ」
「そうなの?」
「そうそう」
そっか。
お姉ちゃんでもそうなんだったら気落ちする事ないか…。
(また今度一臣君に聞いてみよう)
後、一臣君に見惚れてばかりいないで観察してみよう。
気持ちが浮上したあたしにお姉ちゃんはニッコリと笑う。
「彼を知る時の楽しい方法を一つ教えてあげようか」
「うん?」
「あのね?」
内緒話をするかのようにあたしの耳元に唇を寄せたお姉ちゃんに、あたしは『何、何?』と期待する。
すると、
「後をつけたらいいんだよ」
かなりのびっくり発言をされて、あたしは驚いてしまった。