他校の君。【完】
「そう言えば、一臣今日告られに行ったよな?」
「……は?」
何でそんな事急に思い出すんだよ。
忘れとけよ。
「あ、それ俺も見た。一回目の休憩中だよね?返事どうしたの」
「…別に」
普通に断った。
誰かと付き合うとか、今凄ぇどうでもいいし。
「うわ、『別に』だってよ」
『別に』の所を武に笑いながら真似されて、軽く殴ると泣くフリをされた。
ー…何か武の相手すんの面倒臭い。
聞こえてないフリをしようと視線を他に移すと、さっきの女子がまだからかわれている。
「一臣さあ?早く彼女作れよ。そしたら一臣に片思いしてる子達諦めるだろ」
武を無視して返事をしないでいると、武の隣にいたショウが
「一臣に彼女が出来ても、諦めた女子が武に流れるとは思わないけどね」
と、真剣な表情で呟いた。
それを聞いて思わず俺は吹き出してしまう。
すると翔も真剣な表情は止めて笑い出した。
「あははは!」
「うっせ笑うな!彼女持ち!」
「武。それ、けなし言葉じゃなくてただの事実でしょ」
「うっせ!幸せ野郎」
「うん。俺幸せ」
「一臣!コイツ腹立つ!」
隣に座る翔を指さして訴えてくる武に思わず、
「武ってバカだよな」
と、心の声をそのまま出してしまった。