一枚の壁
「ハンス!
ならばなぜ?」
「俺は自分の為に数百のユダヤ人を売った。
彼女の父はユダヤ人びいきなんだ。
クリスティーナもね…
だが俺は違う。
命令には絶対服従を強いられる軍人だから、彼女を不幸にする」
「僕はそうは思わない。
彼女はどんなに辛くても叔母さんの店で働き、お腹の子と自分で強く生きていこうとしてる。
僕に寄りかかる気もない。
お前しかいないんだよ。
彼女が愛してるのは。
クリスティーナを不幸にするつもりか、お前は」