valentine×kiss×2
誠実に


「熊ちゃん、仕事終わったらちょっといい?」

そんな風に
こっそり誘ったのが、ほんの数時間前。

私はロッカールームで、着替えながら、熊ちゃんの事を考えていた。

熊ちゃんは、
笑顔がかわいくて、
甘え上手で、
私の弟になってくれて。

でも、
男の子の顔も持っていて、
私にキスしてきたヤキモチ妬きで。

でも、釜石さんの事が誤解だと分かったら、素直に誤ってくれて。

私に誠実に告白してくれた。

あの時は、パニクっちゃって、何も考えてられなかったけど、

あれからちゃんと自分の気持ちを整理して、

熊ちゃんに何て返事するのか決めたんだ。

さぁ、私も誠実に行こう。

心の中で、小さくガッツポーズをした。

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