valentine×kiss×2


「分かってたんだ。さえちゃんの気持ち。それに最初に弟に立候補したのは自分だしね」

"彼氏に立候補しとけばよかったなぁ"

最後のかすれた声で聞こえた小さなつぶやきが、私の耳に、そして胸に届いた。

「ごめんなさい。本当に今日までありがとう」

私はちゃんと熊ちゃんの目を見て、答えられたかな。

私の視界も少し歪んでいた。

「ねぇ。最後のお願い聞いてくれる?」

"最後"のフレーズに胸が痛かったけど、

「うん。何?」

「明日さ、オレにチョコちょうだい。

本当は"義理チョコ"なんだろうけど、"義理"て言葉じゃ悲しいから "友チョコ"で」

「うん。分かった。全然いいよ。友チョコね。了解!」

私はうまく笑えたかな。熊ちゃん、私のこと"好き"て言ってくれて本当にありがとう。

そしてごめんね。


< 22 / 40 >

この作品をシェア

pagetop