Ⅹ(クロス)

Ⅲ. 闇の中の旅立ち

「ユウリくんから話は聞きましたよ。」

ライトはやや困惑した表情でカラスの家の戸口に立っていた。


「ライト先生、こんな時間にお呼び立てしてごめんなさい。」


「あ、いや、この時間は往診があるので、いつもこの辺りに来ているんですよ。

カラスくんに乗せて貰ってね。」

ライトは言いながら後ろにいるカラスを振り返る。


「そうそう!俺、ライトの助手っていうかね…、」

後ろからカラスが顔を覗かせる。


「救急隊員ってとこ…かな…?」

ライトは苦笑する。


「ぅわ。ライト、それはないっしょ。

俺、薬草の事随分覚えたしね。」


「それで…、直ぐに発ちたいと…?」


「おいっ!スルーかよ!」

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