Ⅹ(クロス)
ユウリとジャコスが去った後、カラスは一人格納庫の隅に座っていた。

手には金属で出来た小さな箱。

その蓋の隙間からは、僅かに青白い光が漏れている。


「カラス・・・」

戸口の向こうで声がする。

「あ・・・お袋・・・」

カラスは逆光に目を細める。

「リディアさんも来たんだ・・・。」


「入っても、いい?」


「ああ・・・。いいよ。」


カラスの母親は、中へ入るなりカラスの手の上のモノに目を留める。

「お前、やっぱりそれを使うのかい。」


「ああ。 これでないと、こいつは飛ばない。」


「カラスさん・・・それは・・・何?」

リディアは小首を傾げてその箱を見る。

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