ココア



なぜか、打ち上げにまで
連行されている俺の隣に
真月は、ようやくチョコンと
座って。


「樹里来てくれてたんだね。
緊張しちゃった。」

って、ビールで乾杯。


「今年も、セクシーだったね…」


思わず言った言葉に
覚えがあって、ハッとした。


「樹里、前も同じこと言った。」

そういって、隣で笑う奥様に
視線をむける。


「前に、どうしても
講師演奏カッコよかったよって、
言いたくて…樹里を
見送った時にね。

そういったら……」



思い出した。

彼女の口から聞けた
カッコよかったって一言が
嬉しくて…

『ありがとう。』…って


『今年もセクシーだったね』


…って。


思わず、頬に熱を感じ
真月から顔をそむける。



「樹里…耳まで真っ赤ですよ。」


彼女がクスクスと笑った。



俺のバカ…

毎年…密かに拝んでいたのが
バレバレぢゃねえか…



「私、あの言葉、
嬉しかったんだよ。」


真月の言葉に、目線を戻せば。


「だって、樹里の視界に
それまでも入ってたって
わかったんだもの。」



その言葉に
俺の顔の熱は限界で…


「真月のバカ…俺…
顔洗ってくる」


苦笑する彼女から渡された
ハンドタオルと、煙草をもって
少し落ち着きを取り戻す為
部屋を出た。










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