追いかけて~恋の行方
「レイ、チョコの代わりに、もう一回キスして? そしたら許す」

「何を許すの?」

「俺のチョコクッキー食べちゃったこと」

クスッと笑って、麗が「いいよ」と呟いた。

俺は麗の手を引き、ガードレールに腰を掛け、静かに目を閉じて待った。

フワッと柔らかい、麗の髪が頬に触れて、その後優しい唇が降ってきた。

チュっと音をたてて離れる、麗の可愛いキス。

俺はそのまま、麗を抱きしめた。

「アックン?」

「レイ、もう離さない。俺から逃げるなよ」

「うん」

小さく麗が頷く。

「俺からの、お礼のキス、してもいい?」

俺は戸惑いがちに麗に聞く。

「うん…」

と、麗が頷くのと俺が麗に触れたのは同時だったかな……

麗よりちょっと長めの、深いキス。

あ、勿論、舌なんて入れませんよ。

そんなことして、また逃げられたらやだもんね。

あくまでも、やさしく、紳士的に、

大切な宝物だから。

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