My fair Lady~マイフェアレディ~
名前を呼んだ瞬間。俺は彼の目が見開かれたのを見逃さなかった。彼は動かす手を止めて俺に向き直った。

「これは運命だからだ」

「運命?」

「そうだ。決まっている事。偶然なんかじゃなく。これは必然だ。」

俺は彼の言っている事が理解できずに首をかしげた。そんな俺に彼は笑って続ける。

「名前を言えよ。坊や」

「え?」

「お前の名前だ」

俺はそういえば自分の名前を言っていない事に今更ながらに気付いた。

「俺は、ユライアス。ユウでいいよ。そう呼ばれてたから」

「そうか。ユウ、よく聞け」

「何?」
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