My fair Lady~マイフェアレディ~
俺は止まる事なく走り続けた。

そして俺の家が見えて、どんどん近づいて行った。
そして、俺は気付いた。家の前にいる。ネオードの馬に。



俺は、少し固まって。息を整えると、身を潜めるようにして家に近づいた。
ドアに耳を押し当てえる。


かすかな、声が聞こえた。
それは間違いなく二人の声だった。


「……どうするんだ?」

ネオードの声。俺は心臓が跳ねて飛び上がりそうになる。
恐らく、ネオードは玄関にいる。

「………」

彼の声が聞こえるが、言葉として聞き取れない。
彼は奥にいるようだ。

「…ユウは、もう騙されてくれる歳じゃないぞ」

ドクリ!とまた心臓が跳ねた。
ドッドッドっと早鐘のように鼓動が早い。

「もう、もたねぇ…」

「………」

「……?!本気なのか…?お前…」


何か、言い争っているようだ。

彼の声は聞こえない。だが。

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