My fair Lady~マイフェアレディ~

「で、どうしたんだ?」

ネオードは自分用にワインを取り出した。
赤色のワインに、彼の舐めた血の光景を思い出して俺はうっと呻いた。
ネオードは気にした様子もなくそれを煽った。

「……パパンと……ちょっと」

なんとなく、ネオードに言うのは気が引けた……。

だってずっと一緒にいた言わば親友だ。
ちょっと、ショックが大きすぎる。


ネオードは俺をじっと見た後、「まだ寒そうだな…」と言った。ネオードが席を立とうとするとガタガタッ!と外で物音がした。続いてヒヒンっと馬の声。

「……ユウが来たからランが興奮してるのかもな……」

ネオードは苦笑して俺を見た後、「奥の部屋に毛布があるから持って来い」と言って外に出ていった。

俺は言われた通り、奥の部屋に向った。正直足が寒くて仕方がなかったのだ。

俺は前に寝かされていたベッドのある部屋に向う。

「あ、あった」

毛布を取ると俺はそれを持ってまた戻ろうとした。しかし、俺の足は呼び止められたかのように止まった。

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