My fair Lady~マイフェアレディ~
帰りの食事でユウは俺にお礼を言ってきた。楽しかったと


俺は段々と、子供の扱いを思い出していた。

ユウはとても謙虚な子供だった。とても大人しい。

あの男とは大違いだ。
とても皮肉な事に。


ユウの話はとても健気だった。

あの父親は恐らく、俺の噂を聞き、慌てて逃げ出したのだろう。
しかも息子までも巻き込んで。

ユウは知らないんだろうな……俺が母親と別れさせるきっかけなのを……。


もう、あの男はいない。なら母親の元へ行かせてやろう。
そう思っていたのに。


なのに、この子供は帰らないと俺に言った。


「何でだ?」

「パパンがここにいるからだよ!!」


俺はその言葉に疑問を隠せなかった。
もう、あの男は死んでいる。それはこの子供にもしっかり説明したはずだ。

「何言ってんだ?お前のパパンはもういないんだぞ。だから帰るんだろ?」

「パパンならいるよ!目の前に」


言葉を失うってこういう事を言うのか。

心が揺さぶられるような、くすぐったいような。淡く激しい感情。

ああ、なんだこれは。

俺は帽子で自分の顔を隠した。自分でもどんな顔をしているのかわからない……。



「今なら逃してやったのにな…」


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