My fair Lady~マイフェアレディ~
俺は帽子のツバを上げて。小さな子供を見た。大きな目がきゅるんと光る。

「俺と来るか?」

挑戦めいた言葉だというのに、この子供は小首を傾げて。

「よく、わかんないけど俺、パパンを一人ぼっちにはさせないよ?」


子供はとんでもない爆弾を落として呑気に「独りは寂しいもんね」と続ける。

俺は腹を抱えて笑った。
ああ!なんて滑稽なんだ!!


俺がこの子供を独りにさせたと言うのに。この子供は俺を独りにさせないと言う!!傑作だ!!なんという事だ!!


「ああ、いい子だな。ユウ」


一通り笑うと俺はポケットの中からあの宝石を取り出した。

「いい子のユウにご褒美だ」

「きれー!!」


さぁ、それをつけて。俺のモノの証を。


「それを付けたらお前まるごと俺の宝物だって事だ」

「あはは!前のパパンと同じ事言ってる~!!」


無邪気に笑う。子供。

そうか、やっぱりお前はあの男の宝物なんだな。
ふふ、宝物の交換だな。


あの男の大切なものがこの手にある優越感が。俺の身柄をじんわりと支配していく。

けれど、まだ。俺の心を俺は理解していなかった。




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