My fair Lady~マイフェアレディ~
幼い子供を拾って。俺は育てた。
それは、例え憎き男への復讐だったとしても、無関係な子供の大事な父親を殺してしまった事になる。
この子供にとっては……俺は憎き相手でしかない。
だから、俺は精一杯、優しく大事に育てたつもりだ。
満足感。
それは、ずっと、憎い相手の大切なものを奪っている優越感から来るものだと思っていた。
甘い。甘い時を過ごしていた。
淡く儚い。まさに夢のように。切なく雪原のように広く白い感情。
「パパーン!今日はお馬さんに乗せてくれる約束でしょう~!!」
満面の笑顔が。そこにある。
パパンと言って。血の繋がらない俺をこの子供は抱きついて来る。
俺は何ども子供にキスをした。食べたいという衝動からだと思っていたそれは、最近違うのだと思うようになった。
抱き上げると首に猫のように擦り寄って来る。ぷっくりとやわらかいその桃色の頬は子供らしさを引き立てて。フワフワとやわらかい髪が上等の毛皮のように俺の顔を引き寄せる。