ICE
ベットルームは見るにも耐えないほど無惨に破壊されていた。
あとでわかったことだが、町の大抵の家は跡形もなく吹き飛んでいた。
ウェバーとロビンソン一家は、できるだけ急いで彼の家を目指した。
放射能の残留しているであろう地域に長居するのは憚られたからだ。
街に誰もいないことが不気味だった。
ウェバーの家も、他と同様に吹き飛んでいた。
かつてリビングだったところから階段を降り、シェルターのハッチを開いた。
パパという声と共に小さな女の子がウェバーに抱きついた。
彼の家族もまた、シェルターに隠れ無事だった。
それから八人の共同生活が始まった。
この辺りの区画はどの物件にもシェルターがついている。
八人は、生存者発見と手狭になった居住空間を広げるため、他のシェルターと繋ぐトンネルを掘り始めた。
ウェバーのシェルターを基点に、他の四つのシェルターに繋がったのは、それから二ヶ月後のことだった。
残念なことに生存者は見つからなかった。
しかし食糧は手に入り、シェルター生活を延期することができた。
それから更にいくつかのシェルターと接続させたが、誰一人として人は居なかった。