【短編】意地悪炭酸ベイビー
ずんずんと先輩があたしに近付いてくる。
それに合わせてなぜか後ずさってしまうあたしの腕を、先輩は掴んだ。
ビクンッとあたしの体が跳ねる。
「待ってたんだけど」
真っ直ぐに見つめられ、視線を外す。
「で、でも……約束とか……してないし……」
「約束しなくても、待ってると思った」
いや、それはないでしょ。
てか、この好景他人が見たら怪しいよね……
「あの……それより先輩、腕……」
言いにくそうにあたしが言うと、先輩はなんのことかわかって離した。