時空少女

夜の焔天塔

「本当の凄さ…?」

「えぇ。では案内を続けますよ。行きましょう」

そう言って隣に並んで歩いていく。
沙柚は、少しわくわくした。夜になるとどうなるのか分からないが、少しの不安があるだけであとは楽しみな気持ちだけだった。

廊下の途中にある階段を降りていく。とんとんとん、リズムよく足音が続く。

「4階は、妖たちの部屋です。まぁ、見ても仕方ないので先に3階に言きますね。」

「は〜い。」

沙柚が4階は後で行こう。そう心に決めたのは秘密だ。

「3階って何があるんですか?」

沙柚は翔に尋ねた。

「3階はですねー、食堂です!」

「しっ食堂!?」

塔の中に食堂なんかあるものなのか!?!?
でも……、"この世界"だし。
なんて納得してしまう沙柚がいた。

「はい。妖たちが作って食べてます。あ!もちろん人が食べても全然平気ですよ。」

一瞬ヒヤッとしたがそれなら安心だ。沙柚は内心ほっとした。

とっとっ、とん

「あ。もうつきますよー。」


階段を降りた先には、ものすごく広い、学校の体育館並みの広さの部屋が広がっていた。

「ほぁー!!!!!」

焼き魚の香ばしい匂い、味噌汁のいい匂い、炊きたてのご飯の匂い、お腹がすぐにでも鳴りそうだ。
ただ、あることを除けば。

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