【続】俺様甘甘王子様
隣にいた、浮気性のあんこちゃんが何かを思い出したかのように声をあげた。その声に少しだけ肩をびくっとあげるあたしだった。
『君、龍君の弟君だ!』
「!?」
――龍の弟?この黒髪の子が?確かに見た目は似ているけど……。てか、龍に弟なんていたのね。
『…あんたら誰?』
龍の弟らしき男の子が、少し警戒するように口を開いた。口調と、この態度……きっと龍の弟に違いない、とあたしは確信した。
『ちょ!蜜!この人たち先輩だぞ!』
すると、あたしの目の前の彼は、龍の弟に話しかけた。
『遥翔、先輩たちに何絡まれてんの』
『それは、この小さい先輩がぶつかってきて、1年生かと思って…』
『確かに、小さいもんな』
話の途中で、龍の弟は言葉を発した。