シュガーベイビー★キス
「手。」



「…手、ですか?」



「手繋ぎたい。いい?」



「は…は…い…」




スカートで手汗を拭き恐る恐る差し出すと、泉サマの細くてキレイな指があたしの手の指と指の間に入り込んだ。






…………ど




どうしよう………





す、すごくドキドキしてる





修平くんと手を繋いだときとは違うドキドキがする。






自分の手の平を伝って、泉サマにもこのドキドキが聞こえてしまうような気がした。



この状態でしばらく無言が続いたあと泉サマは大きくため息をついた。






「…ど…どうしました?」




「………やっぱり俺って最低かも。」



「どうしたんですか急に!?」



「だけど…そんな俺でももう一回付き合ってみるって言ったよな?」




「は、はい…」




「じゃあさ、俺のお願い聞いてくれる?」





「………お願い?」





「キス、してもいい?」





「き…………キス!?」





図書館中に響き渡るくらい大きな声を出してしまった。





「神戸の言う通り、確かにキスはお互いが好き同士で、その上で成り立つもんだと思うよ?」






前言ったこと覚えてくれてたんだ…







「……でも…好きかどうか分かんないけど……他の誰でもない、お前とキスがしたいって思う俺っておかしいのかな。」





「泉………先輩…」







そんなの分かんないよ…



恋愛経験ゼロだもん。


分かるわけないじゃないですか…


分かんないよ…



分かんないけど…


でも…



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