イミテイション
「直人…好きな人がいるならちゃんとあたしには教えてほしいんだけど」


激しい行為がおわって息が整った頃、冷静にあたしは彼に尋ねた。


「何?さっきのことがまだ気になってんの?」

半分笑いながらそう返される。


「うん、直人はどんな人が好きになるのか気になって。」


「いねぇよ。
この間話したじゃん。
今日のトモ、なんか変じゃない?」

あっけなくも流されてしまった。

「変な子でごめんなさいね」

「嫌いじゃないけどな」


そうやっていつも中途半端にあたしをつなぎ止める。

「ありがと。じゃあそろそろ帰るね」

そんなときはいつも決まって冷たくあしらうのだった。
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